舌下免疫療法
舌下免疫療法で体質改善を
これまで、アレルギーに対する免疫療法の第一人者である日本医科大学耳鼻咽喉科大久保公裕教授に指導していただき、舌下免疫療法で多くの方の治療を行ってきました。
当院では、舌下免疫療法 日本医科大学耳鼻咽喉科大久保公裕教授監修 を行っています。
免疫療法はアレルギーの原因物質アレルゲンを少ない量から徐々に増やし、アレルゲンに反応する体質を改善自体を変えていくため、根本的な体質改善が期待できアレルギー性鼻炎に対する唯一の根治治療となっています。
現在では、スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法をすることができます。
一般的にアレルゲン免疫療法では、8 割前後の患者さんで有効性が認められています。
スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法においても、種々の報告からその有効性・安全性が確認されています。
また、内服薬や点鼻薬、点眼薬はあくまで一時的に症状を抑えるだけで、根本的な治療ではありません。
根本的な体質改善(長期寛解・治癒)を望む患者さんには、ガイドライン上においても推奨されています。
「鼻アレルギー診療ガイドライン」では、症状の頻度や重さに応じて、重症度が軽症、中等症、重症、最重症の4段階に分類されています。
程度および重症度 |
一日の鼻かみ、くしゃみの回数平均 21回以上 |
11~20回 |
6~10回 |
1~5回 |
なし |
1日中完全につまっている |
最重症 |
最重症 | 最重症 | 最重症 | 最重症 |
鼻閉が非常に強く口呼吸が1日のうちかなりの時間ある |
最重症 |
重症 |
重症 | 重症 | 重症 |
鼻閉が強く口呼吸が1日のうち時々ある |
最重症 | 重症 |
中等症 |
中等症 | 中等症 |
口呼吸は全くないが鼻閉あり |
最重症 | 重症 | 中等症 |
軽症 |
軽症 |
鼻閉なし |
最重症 | 重症 | 中等症 | 軽症 |
無症状 |
舌下免疫療法は軽症から最重症まで、全ての重症度において治療の対象となります。
2020年鼻アレルギー診療ガイドラインより
方法
☑アレルゲン(スギ、ダニ)を含むタブレットを、舌下(舌の下)に置き、1分間そのまま保持して溶かした後、飲み込みます。
薬が流れてしまったり、刺激になるため、服用後5分程度は飲食やうがいを避けて下さい。
☑毎日服用することで、アレルゲンに対する反応を慣らしていきます。
舌下免疫療法は以前の注射での免疫療法に比べ、副作用も少なく、痛みがない事が特徴です。
アナフィラキシーショックは1億回に1回で死亡例なし。⇔皮下注射は150万回に1回
口の腫れや、口・喉・耳のかゆみは10%以内
スケジュール
☑初めての服用は、医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。その後は2週間から1か月おきの定期的な受診が必要です。
治療は1-2年は効果をみて、効果のある方に関しては3年間程度長期的に治療を継続していきます。
*オールシーズン常に、内服を継続していきます。
スギ花粉症の方は6月から12月の間に初回の導入を行います。*1-5月のスギの飛散時は初回導入できません
ダニの方は一年中初回の導入をすることが可能です。
期待できる効果
☑鼻水、鼻づまり、くしゃみの改善
☑目のかゆみ、涙目の改善
☑アレルギー薬の減量
☑生活の質の向上
毎日継続することで体質を変え、アレルギー症状をおさえる効果が期待できます。
症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、将来的にアレルギー治療薬の減量が期待できます。
こんな方におすすめ
☑体質を変えたい
☑花粉の時期(スギ)or年中(ダニ)、アレルギー性鼻炎の薬を飲んで勉強中や仕事中に眠くなる
☑鼻水や鼻づまりが気になって集中できない
☑飲み薬やスプレーでは効果があまりない
☑レーザー治療に抵抗があり、実施しても改善しない
☑薬の量を少なくしたい
ただし、下記に当てはまる方は治療を受けることができません
☑アレルギー性鼻炎の原因がスギ花粉ではない方
☑5 歳未満の小児の方
☑ぜんそくのひどい方
治療上の注意
アレルギーの原因となる物質を体内に入れるため、副作用が現れることがあります。初めて治療を行う際には、薬を服用してから 30 分間は院内に待機していただきます。下記のような症状が初回に出やすく、症状が出た場合様子を見て、翌日以降も症状が残る際には受診するようにしてください。
よく見られる副作用
☑口腔内のかゆみ、唇のかゆみ
☑耳のかゆみ
☑喉がピリピリする、かゆい、不快感
下記のような重篤な副作用が見られる場合は、すぐに医院を受診するなど迅速な対応をしてください。
☑呼吸困難、胸のしめつけ感、喘鳴、チアノーゼ
☑視覚異常、視野の狭窄
☑胃痛、吐き気、嘔吐、下痢
☑蕁麻疹、紅斑・皮膚の発赤などが全身に現れる
計画的な治療
舌下免疫療法は治療期間が⻑く、継続的な治療が必要となりますが、根本的な体質改善により症状を軽減させる期待できます。
継続するために、治療の効果を高めるために
☑1 日の中で薬を服用するタイミングを決めておく ex歯磨きのあとなど
☑通院する日、曜日をあらかじめ決めておく
など計画的に治療を続けることが大切です。
スギ
外出する際には、帽子や眼鏡、マスクをしたり、室内に入る際は上着を脱いで花粉を払ったり、できるだけ花粉を持ち込まないようにしましょう。
毎年花粉シーズンは、花粉症の症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。
ダニ
ほこりやゴミが溜まらないように頻繁に掃除したり、1週間に1回布団を干すなど、室内を清潔に保つようにしましょう。
年中、鼻、目、耳症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。