重症花粉症・最重症花粉症
2020年シーズンから抗IgE抗体製剤オマリズマブによる治療が加わりました 【保険治療】
従来の治療薬でコントロールできなかった重症花粉症or最重症花粉症に対して、2019年12月から承認された抗IgE抗体オマリズマブによる治療が可能になりました。保険治療となります。
きつい花粉症、花粉症が治らない、花粉症がしんどい、花粉症がひどい、花粉症でだるいなどで困っている方はまず、重症度を評価します。
「鼻アレルギー診療ガイドライン」では、症状の頻度や重さに応じて、重症度が軽症、中等症、重症、最重症の4段階に分類されています。
重症花粉症、最重症花粉症は、「1日に起こるくしゃみ発作の平均回数」「1日に鼻をかむ平均回数」「鼻づまりの程度」で決まります。
ある製薬会社の花粉症重症度調査で、兵庫県では、花粉症患者さんの2人に1人が重症花粉症とされています。
これは、都道府県別にみて兵庫県が全国の中で最多となります。
重症花粉症は、発作の頻度も多くなり、程度も重くなるため、体調が悪化し、日常生活はもちろん仕事への影響も大きくなります。
そのため、労働生産性の低下などプレゼンティズムが問題となっています。
プレゼンティズム
病気で生産性が低下した状態であるが、職場には出ていること
アプセンティズム
病気のために欠勤、遅刻、早退すること
両者で労働生産性を評価します。
プレゼンティズムはケアレスミスを誘発し、作業効率の低下を引き起こします。
厚生労働省保健局の『データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン』では、プレゼンティズムになってしまうことで仕事の生産性が下がり、健康に関わる直接的な医療費と、間接的な労働生産性損失費用が増えることが明らかになっています。
また、アプセンティズムよりも重症花粉症の関わるプレゼンティズムの方が生産性や業績に影響する割合が大きいと報告されています。
学生で勉強しないといけない、外せない仕事があるなど、また、きつい花粉症、花粉症が治らないなどで困っている方は、一度ご相談ください。
コロナ禍において人前での、くしゃみ、鼻水など鼻症状を抑えたいなど花粉症で困っている方が治療の対象になる可能性があります
できるだけ手術はしたくないなどの方も対象となる可能性があります
日本医科大学耳鼻咽喉科大久保公裕教授監修 https://hajimete-xolair.jp/
アレルギーに対する免疫療法の第一人者である大久保公裕教授に指導していただき重症花粉症における抗IgE抗体製剤オマリズマブ治療に対する多くの症例を経験してきました。
治療は月に1〜2回、当院にて皮下に注射していく薬です
方法
☑投与量は体重と採血結果で、決定します
☑皮下に注射で行います
スケジュール
1st
☑重症花粉症と診断
☑血液検査:特異的IgE抗体検査※(これまでに採血が未実施の場合)
☑従来の治療を開始(抗ヒスタミン薬、点鼻薬等)
1週間以上あけて
2nd
☑従来の治療で効果不十分なスギ花粉症と診断
☑血液検査:総IgE検査、特異的IgE抗体検査※(未実施の場合)
※特異的IgE抗体検査は、スギ花粉抗原に対する値がクラス3以上であることを確認する必要あり
⇒抗IgE抗体製剤オマリズマブの投与量、投与間隔と自己負担額*の決定
初回投与日
☑抗IgE抗体製剤オマリズマブ投与
☑スギ花粉シーズン中、2週間or4週間毎に投与*
費用
・費用は初回投与前の総IgEおよび体重で決定されます
・費用は患者さんごとに異なってきます
全員が上記スケジュールとはなりません
通院頻度を抑えたいなど個々に相談し、調整させていただきます
期待できる効果
☑集中して仕事ができる
☑集中して勉強ができる
☑集中して家事ができる
☑外出時のつらさが和らぐ
☑朝までぐっすり眠れる
☑生活の質の向上
今までのお薬を使っても、残っている症状をコントロールして、快適な日常生活を送ることを目指します。
こんな方におすすめ
☑受験生、学校で勉強に支障がでている
☑外せない仕事がある
☑仕事で重要なポジションを任されている
☑飲食業の方で、鼻症状で困っている
☑接客業の方で、接客に支障がでている
☑鼻症状、目、皮膚が痒いなどで、花粉症がひどい 特に夜寝れない
☑できるだけ手術はしたくない
また、コロナ禍において人前での、くしゃみ、鼻水など鼻症状を抑えたい
など困っている方を治療の対象としています。
毎年、花粉症飛散時期が受験シーズンでなんとかしたい方、目の周りが荒れて化粧ができなくてこまってる方なども相談させていただきます。
くしゃみ、鼻水、はなづまり以外の症状、目の痒みや日常生活支障度なども改善すると報告されています。
治療上の注意
注射に伴う痛みがあります
よく見られる副作用
☑注射部位の発赤 腫脹 かゆみ
国内臨床試験においてはアナフィラキシーの報告はありません。
安全性に関しても高いことがわかっています。
費用
2020年シーズンから開始されました。
現在は薬価改定があり、保険治療で、費用を抑えることが可能です。
費用は、患者さんごとに異なります。
計画的な治療
重症花粉症における薬剤治療ですが、花粉症の飛散時期の2月から5月まで使用することが可能です。
従来ではコントロールできなかった花粉症もコントロールできるようになりました。
できるだけ手術は避けたいなどお困りのことがあれば相談してください。